2018年2月28日

不幸にすぐ喰いつく荒い息が首筋をかすめて

過去のような映像を繰り返す夢から覚めた目を支配していたのは

鉛に金色を混ぜたような見慣れない風景だった

おそらく私はこの風景を現実には見ていない

この中にいたこともないだろう

ということはこの風景は私自身が秩序的に編んでいる

不可解というよりその強い動機を私は知りたいと思った

蒼白いだろうと思える背景の丘の上に女の子がいる

その子が黒髪を揺らしながら日なたで踊っている

美しいものだけを見ているように

苦しい感情はその後にやってくる

私はその子に何が起こるか知っているのだ

そう思った時から風景は鉛色に変わっていくのかもしれない

このままにはしておけないと今私ははっきりとそう思っている

 

譜奏187