誰かに見られたいことを書いた時
私は子供ながらに大らかな文字を選んで
さらにやさしく見えるように気を配って書いていた
いつそんなことを覚えたのか
今はそのノートの表紙に書いた
恥ずかしいとしか言えないタイトルしか思い出せないけれど
そんなことを思い出したのは
システム手帳に書かれていた狭い字間に気づいたからだ
私はきっと希っていたのだと思った
あの幼い日の私でさえ
はっきりと
あなたは何を思い何をしたいと思っているのですかと
天使に問うように
聞いて欲しかったのだと
譜奏185