―――――くじけない やさしさで
永遠の約束 交わしたね『KI・Z・NA』より
弱虫になった私が逃げ込む
いつもの巣穴の温もりに
苛立ちを感じ始めたのは
その温もりが
私を守れないと気がついたせい
それが大人になるということなら
地からの
太陽からの熱は
もう私には
不要と
胸に刃を当てるだけ
その痛み
その傷を
背に携えて
譜奏21
―――――くじけない やさしさで
永遠の約束 交わしたね『KI・Z・NA』より
弱虫になった私が逃げ込む
いつもの巣穴の温もりに
苛立ちを感じ始めたのは
その温もりが
私を守れないと気がついたせい
それが大人になるということなら
地からの
太陽からの熱は
もう私には
不要と
胸に刃を当てるだけ
その痛み
その傷を
背に携えて
譜奏21
夢が妊る場所は
心の中のどこかの扉と
信じ込んで
やさしくノックして
強く叩いて
最後は身体をぶつけた
人間という点描は
その根に
ナルシスの微毒を
必要としているのかもしれない
俯瞰した視界の絶望の中に
居るはずのない自分が
必ず意識を宿してそのものを
浮き上がらせようとしているのだから
譜奏20
愛が全てというのは否定できない
誰もケチを付けられない
でも何の全てか
よく識る人はいない
人生のというのが
一番納まりが良い感じ
それと親子
母と子
でもそれも固形物のようになっている
だから愛もその全ても
飾られた時に輝くの
その時だけに輝いてしまうの
舞台で空に広げた手の
老いた役者のように
譜奏19
水の紋の揺らぎの終に留まる
円の死に
無関心な水面
その湖表に
湖底に棲むように
淡い光を放つ
孤高の濁り月
紡がれていくの
きっとそのように
音も光も
静寂にまとわりつく
惑いのような風も
今私が揺らぎに棄てた
消し言葉の祈りも
譜奏18