不老不死の命が得られるなら
世界の名だたる人は
いえ普通の人も
その条件に
血道を上げるだろう
逆に早期の死も
流行るかも知れない
過ぎし日の訃報の痛みが
リフレインする雨の
終わらない日
私の空っぽの胸は
忙しく走る雨の粒のリズムに
合わせるように泣きじゃくる私を
ただみつめていた
譜奏25
不老不死の命が得られるなら
世界の名だたる人は
いえ普通の人も
その条件に
血道を上げるだろう
逆に早期の死も
流行るかも知れない
過ぎし日の訃報の痛みが
リフレインする雨の
終わらない日
私の空っぽの胸は
忙しく走る雨の粒のリズムに
合わせるように泣きじゃくる私を
ただみつめていた
譜奏25
水の死ぬ
終いの瞬きに現われる
青に奪われた
一重の彩りは
流れを終え
定着を捨て
消える
消す
誇張もなく
ただ
その青そのものに
従順する
凍てる死にも熱があることを
知るかのように
譜奏24
初舞台
私の着ない
悲しいドレス
ぐるぐると
花飾りの壁を
貴婦人のように
演舞して
緩やかに
指板を弾くソネットを
弱まっていく音を
怖れながら
顎を上げ背を伸ばし
光の雪に包まれる刻を
私は夢観ていたの
譜奏23
突っ伏して
魂が破壊されたノイズが
数日の
数季の悪夢を見せて
時間の無い日々を私に与えた
呪うべき
色彩のない記憶
忘れることだけに
ほとんどのエネルギーを費やして
吐き捨てる言葉さえ尽きたと思った
しかし生は強靭だ
私の新たな有機なる魂はその廃墟に
光のように
散りばめられていたのだから
譜奏22