2017年12月8日

季節を感じても感じなくても

時がデリカシーもなく一年を剥がしていっても

暮らしが変わっても

私には忘れ得ぬことがありそれを口にしたことはない

解ってもらえないと思っていた

それは今も続き

解ってもらいたいと思う欲望も一度として持たず

だからすべてが風化せずに時を食べているだけだった

風化の反対語は何と言うのだろう

何事もない平坦な日の普通の時間に

忘れ得ぬ記憶はかけがえのない出来事として鼓動し

初めての季節を肌に感じるように

その時私はときめいて

胸をかばうように手を当てて

私は路の傍らに逃げ込んで静かに目を塞いでいた

 

譜奏151