2017年4月24日

人にはスタートを切る季節がある

社会へ夢へ

またはそれを両手に

しかし私はその季節を

耽美の中に漂うようにして過ごした

活気を放つ同世代の群れから外れ

霧の形をした胸の炎と

大気に描がいた幻のような夢を

交互に首を揺らしてみつめていた

選んだ訳ではなく

選ばれたはずでもなく

それが私に与えられたプログラムの

起点に打ち込まれた柔らかな熱の

楔のように

 

譜奏53