2017年2月22日

身を潜めることしかできない

大雨の日

若き悩みの中にこもっていた私は

何を思ったか

アスファルトの道に向かって

走り出した

化繊のブラウスが一瞬の内に

蛭のように肌に吸いついて

髪は重く

視界を遮った

しかし私は凪いでいた

突如として雨のリズムに

同化している自分に

気がついていたから

 
譜奏27