2020年1月24日

友の訃報がメールで届いていた

タクシーの中で私は彼女と過ごした青春を思いながら少し泣いた

私がもし詩人だったら

この平面画面に何かを書き殴りたい気分だったけれど

湖に沈んでいくように静かに言葉は何も浮かんでこなかった

葉の影が怖いのと言った彼女の横で

赤い長靴を履いた女の子がはしゃぎながら小さな体を振って

顔を空に向けて踊っているのが見えたような気がしていた

私はその光景を前に地に足を捕まれた木のようになって

近づけない永遠のような距離を感じているだけだった

いつの時も私は無力なのだから

せめてその髪を揺らす風にでもなれたらと思ったあと

私は思いがけない激情に駆られて背筋を伸ばしていた

私はただ一緒に踊りたかったのだ

 

譜奏485