友の訃報がメールで届いていた
タクシーの中で私は彼女と過ごした青春を思いながら少し泣いた
私がもし詩人だったら
この平面画面に何かを書き殴りたい気分だったけれど
湖に沈んでいくように静かに言葉は何も浮かんでこなかった
葉の影が怖いのと言った彼女の横で
赤い長靴を履いた女の子がはしゃぎながら小さな体を振って
顔を空に向けて踊っているのが見えたような気がしていた
私はその光景を前に地に足を捕まれた木のようになって
近づけない永遠のような距離を感じているだけだった
いつの時も私は無力なのだから
せめてその髪を揺らす風にでもなれたらと思ったあと
私は思いがけない激情に駆られて背筋を伸ばしていた
私はただ一緒に踊りたかったのだ
譜奏485