望むという気持ちを捨てられる人間はいない
丁寧に言えば人は一生涯何かを望み続けて生きていく
明確なら明確なもののまたその先を
曖昧なら曖昧なままに祈りを重ねて
今のこのままでイイ、もう何も望むものは無いからという人も
望むという行為の形の中にいることに変わりはないということだ
自分の人生なのだから自身が支配していくべきなのだろうけれど
しかしと私はため息のように思ってしまう
与えられなかったと感じた人の多くはその運命に悪態をつくのだ
拒まれたと感じただけで無抵抗に卑しく歪んでいったりする
ひどい言い方になってしまうと感じながら私は胸で小さくつぶやく
きっと愛にひどく打ち捨てられた者が支配欲を強くしていくのだと
たとえ花が咲いていても根が朽ちかかっていることを知らないように
そしてそれに似たたくさんの他の罪があるかのように
譜奏484