都会のたくさんのイルミネーションを見ていて
昔とは逆なんだろうなとふと思った
空より明るい街は何かがだんだん終わっていく
そんな暗示にさえ思える時がある
首を寝かせて見上げていた私の目に
何キロも落ちてきた雨粒がツンと命中した
もう見なくていいよと言うように
コンビニでビニール傘を買って歩いて
私は赤信号で止まる
強くなった雨がいじめるように傘を叩く
つまらないものしか入ってないバッグを胸に抱えて
私は動けないような気持ちになっていく
青信号が赤に変わってまた青に変わっても
私は動けない自分のままの傘をただ胸に抱えていた
譜奏202