2018年3月21日

聖書に手を置いて

平気で嘘をつく人の胸に

悪意が無かったら

罪は神通力を失い

対比する言語さえ見当たらない

人を捕らえている境界線のような区切りは

何の基準によるものなのだろうか

この社会そのもの

それとも個体としての痛みの記憶から生まれた

防御

きっとどちらも違うのだろうと思いながら

私はある事を決心しようとしていた

夢で焼いた讃美歌の炎が苦しそうな声になって

揺れながら消えていくのを待つように

 

譜奏196