2018年3月5日

孤食を繰り返すしかない人の

孤独は思い出を冷やしていく

冷たくなった思い出は

今ある現実に宿らなくなり

色の無い映像になって

思い出すたびにリフレインをやめない

その繰り返しは過ぎた日に向かい

今から離れ

どんどん冷たくなっていく

それが孤独の正体のように

私が月を嫌悪したのは

萎んでいく人が土のように身を伏したのに

その姿を月が生け贄のように見て

笑っていたから

 

譜奏189