2018年1月8日

思い通りにならない火が水に歪んで見えるように

壊れていても存在価値のある感情への尊厳が

私の胸をいっぱいに占める夜がある

そしてありのままの自分が暴走する自分を

私はじっと耐えるようにみつめるだけになっていく

五線のない譜面を容赦なく動き

苦しそうに吐き出されては刻まれる熱の痕

肉体の主さえ尊重しない

その譜が火の影のように暴れるのは

私に運命付けられた狂気の啓示なのだろうと言い聞かせながら

やがて疲れたように落ちて残骸になる一瞬を

私は苦しみの中で感じ取る

その空間に起こるすべての出来事を

火の器に揺れるようにみつめながら

 

譜奏165