2018年1月5日

いつか見た青割れの黄昏れが注ぐように教えてくれたように

私は無邪気に遊ぶ子供たちに

やさしく微笑む人でいたかっただけだった

置き去りにする理由などなかった

雑踏を避けた裏通りの静寂で

すれ違いざまに聖書を這う虫のように動いたら

文字が罪のような韻律音を出して苦しむから

私は静寂を怖れるようになったのに

その後誘惑は二度と私の前に現れなかった

何故あんな衝動が起きたのだろうと思ったこともあった

しかし私は本当は知っていた

癪に触ったのだ

私の悲しみを作業のように刻んでいるその音の主の

やさしいだけの平和な笑顔が

 

譜奏164