2019年10月7日

恋という言葉には甘美な香りが漂うけれど

終わり方は平凡

愛という言葉には崇高な趣きが感じられるけれど

明らかな始まり方はない

だから恋愛という言葉は実に不適切な造語でしかなくて

追及のしにくい居心地の良い人気によって

人生のゲストとして歓迎されてきたのだろうと思う

人が好むという理由だけで嗜好設計されて

綺麗な色に色にと改良されてきた花たちの運命に相似している

女の価値は沈黙の扱い方で大きく変動するといずれは判るのだから

なされるがままの運命に微笑んでみせて

女は最初にはっきりと自分の胸にこう呟けばいいのだ

もし私の恋の都合で私の好む愛の形があなたで造られない時は

あなたの人生をボロボロにしてあげるからねと

 

譜奏438