恋という言葉には甘美な香りが漂うけれど
終わり方は平凡
愛という言葉には崇高な趣きが感じられるけれど
明らかな始まり方はない
だから恋愛という言葉は実に不適切な造語でしかなくて
追及のしにくい居心地の良い人気によって
人生のゲストとして歓迎されてきたのだろうと思う
人が好むという理由だけで嗜好設計されて
綺麗な色に色にと改良されてきた花たちの運命に相似している
女の価値は沈黙の扱い方で大きく変動するといずれは判るのだから
なされるがままの運命に微笑んでみせて
女は最初にはっきりと自分の胸にこう呟けばいいのだ
もし私の恋の都合で私の好む愛の形があなたで造られない時は
あなたの人生をボロボロにしてあげるからねと
譜奏438