絵は見て欲しいと額に飾られている
ラブソングは誰かが誰かを愛しいと歌っている
川は雨を身ごもって海のシリウスに流れ
植物は光をもっと食べようと空だけを見上げている
なりたいモノになっていない色は褪せても動けず
愛は嗜好品の定めで続けて投げかけていかねばならず
奇跡の数の
ごくわずかなコンセンサスしか残さない
花は命を繋ぐ生死のために恋を振る舞うのに
当然枯れると知りながら
人間だけが切って挿して部屋に飾る
そして夜と昼が回し車のように繰り返され
繰り返さない静寂だけが
不眠症の哲学者のように眠らないのだ
譜奏311