2018年12月14日

絵は見て欲しいと額に飾られている

ラブソングは誰かが誰かを愛しいと歌っている

川は雨を身ごもって海のシリウスに流れ

植物は光をもっと食べようと空だけを見上げている

なりたいモノになっていない色は褪せても動けず

愛は嗜好品の定めで続けて投げかけていかねばならず

奇跡の数の

ごくわずかなコンセンサスしか残さない

花は命を繋ぐ生死のために恋を振る舞うのに

当然枯れると知りながら

人間だけが切って挿して部屋に飾る

そして夜と昼が回し車のように繰り返され

繰り返さない静寂だけが

不眠症の哲学者のように眠らないのだ

 

譜奏311