2018年9月14日

人生に

望みだけをばら撒いた呪文は効かない

もし永遠に消えない火を盗めたら

私はこの身体に隠すだろう

火は変化せずに永遠と寄り添うのだから

人と対峙している存在が曖昧で

その存在感だけを感じて生きていく運命に

私はむしろ祝福を感じながら

しかし私の明日はきっと何かが違うと思い

闇の輪郭線を探すように夜と交わる

そしてこの夜明けこそはと

私に備えられたキメラの発症を待つ夜を重ねて

背に翼を感じる瞬間に焦がれるままに

暁の空を翔び立つ私を思い描いていた

 

譜奏272