2017年1月4日

褪せていく

大気の隅に残されて

夢の華臭を

哀しくふり払おうと

足掻く夜

私の

中の

心を掠め

唯一に見た悔いのように

苦しむ月を

私の血に壊し

囚え

同化するように

 

譜奏6

2017年1月2日

雑踏を

深い森の鳥たちの

飛礫のように抱えて

空に写る

墓跡のような

摩天楼

悲しみの

最後の単位が

量子なら

個別の孤独は

海にさえ

交われない異端

主体が放つその

寂しい温度ゆえに

 

譜奏5