2017年8月21日

永遠という言葉を知らない頃

私はこのままずっと生きて

手に持っていた花は

ずっと咲いたままだと思っていた

私はただ元気に溢れたワガママな子供だった

大人になって人を喪くして

教会の葬儀でバラを祭壇に置いた時

私は供えられて並ぶ花の枯れる姿を思い浮かべて泣いた

死の現実が私の精神に宿った痛みだったのだろう

雨に打たれた帰り道

人生は少し自分に誠実さを欠きさえすればそう難しくはないと

私は実を付けない徒花のように弱い顔になって

私の永遠を遠い景色のような距離に置くように

坂下の行き止まりの海に目を落としていた

 

譜奏104