何も待たない夜明けの前
思い出すことの出来る日から
何年も
私のカラダに閉じ籠っていた
軟体の
呻くような音が
鳩尾の裏から抜けていく気配を
私は雑意の振りで聞いていた
説明のできる罪は人間にとって
一番の罰だ
声帯を持たないはずの音は
憎しみに似た衣擦れになって
消えていく
奏でられた振音のように
譜奏50
何も待たない夜明けの前
思い出すことの出来る日から
何年も
私のカラダに閉じ籠っていた
軟体の
呻くような音が
鳩尾の裏から抜けていく気配を
私は雑意の振りで聞いていた
説明のできる罪は人間にとって
一番の罰だ
声帯を持たないはずの音は
憎しみに似た衣擦れになって
消えていく
奏でられた振音のように
譜奏50