2017年4月17日

何も待たない夜明けの前

思い出すことの出来る日から

何年も

私のカラダに閉じ籠っていた

軟体の

呻くような音が

鳩尾の裏から抜けていく気配を

私は雑意の振りで聞いていた

説明のできる罪は人間にとって

一番の罰だ

声帯を持たないはずの音は

憎しみに似た衣擦れになって

消えていく

奏でられた振音のように

 

譜奏50