2017年4月5日

時の堆積の中にいた人と

心が途切れてしまった午後

私は乱れないリズムを打ちながら

初めてのカフェのテーブルに

手を投げ出した

気がつけば爪床が荒れていた

小さな血液を含んだ皮膚が

接しない点画のように

その色を哀しく見せている

生きるって何故

変質を繰り返すのだろうと思った

時を塞いで息をする力を忘れた

私のこの爪が

与えられた示唆であるかのように

 

譜奏45