初夏の爽やかな午後
いつものように
お母さんに買ってもらった絵本を見ていた少女には
文字のすべてが絵に見えていた
そしてそのことを少女は
誰にも言わないでいた
お城の森の周りには大きな大きな赤い木がたくさん
青い小川も流れて黄色い花が咲いている
誕生日を知らない少女は
絵本の中の白い空に話しかけて
わたしは悪い子なの
だから大きくなったら
バースデーケーキを作るケーキ屋さんになるのと言って
笑った
譜奏116
初夏の爽やかな午後
いつものように
お母さんに買ってもらった絵本を見ていた少女には
文字のすべてが絵に見えていた
そしてそのことを少女は
誰にも言わないでいた
お城の森の周りには大きな大きな赤い木がたくさん
青い小川も流れて黄色い花が咲いている
誕生日を知らない少女は
絵本の中の白い空に話しかけて
わたしは悪い子なの
だから大きくなったら
バースデーケーキを作るケーキ屋さんになるのと言って
笑った
譜奏116