2019年5月1日

あてもなく歩いていた

風の冷たい街

にぎやかな笑顔ですれ違う

楽しげな人たち

私のポケットには

独りぽっちの指

気づかれないように

うつむいていたから

いつか大きな海を渡っていく

鳥のように空を飛べたら

どんな悲しみも消えていくよと

遠く響く逃げるような誰かの声

もしも人を信じることに疲れて泣いたら

あなただけを見ていてもいいですか

 

譜奏370