2018年4月9日

空だけではなく

海の底にも星があると思っていた頃

私は水と空気を青く透明なものだと感じていた

今でもノイズのようにその境界線は気まぐれで

私はしばしば海底に落ちている星々を胸に描く

それが実は丸底のフラスコの海の底にいると

言い聞かせるように解っていることであっても

それ以上に

青の感覚から遠ざかることを怖れる気持ちが勝るからだ

私はいつまでたっても社会というものとの折り合いに苦労する

認識して把握することだけでは成立しないところが

私には厄介だ

私の子供染みた稚拙な青との弱い分断は

嫌悪を自制する頑なな制吐剤になっていたのかも知れない

 

譜奏204