空だけではなく
海の底にも星があると思っていた頃
私は水と空気を青く透明なものだと感じていた
今でもノイズのようにその境界線は気まぐれで
私はしばしば海底に落ちている星々を胸に描く
それが実は丸底のフラスコの海の底にいると
言い聞かせるように解っていることであっても
それ以上に
青の感覚から遠ざかることを怖れる気持ちが勝るからだ
私はいつまでたっても社会というものとの折り合いに苦労する
認識して把握することだけでは成立しないところが
私には厄介だ
私の子供染みた稚拙な青との弱い分断は
嫌悪を自制する頑なな制吐剤になっていたのかも知れない
譜奏204