2017年12月13日

形有る美しいもの

形を持たない美しいもの

それはやがて醜くなっていくから愛せないと

あれはジャズだったかシャンソンだったか

そんな歌詞があった

私はそれはひどい決め付けだと思って

その曲を嫌った

何故醜くなっていくと断定できるのかと思った後

私は歌というのはこういう設定でドラマチックにしていくのだと

冷たい気分で決め付け返しをしてあげて

記憶と共にその歌を棄てた

それが切なく悲しい願いだと気がついたのは

私が素朴な哀しみの重さを知った

長い年月を経た美しい月の夜のことだった

 

譜奏153