2017年9月29日

思秋の退屈な夜に星の光は今の輝きではないと知って

私は不思議というよりむしろうれしいと思う気持ちを感じていた

人間の考えの尺度に合わない力強さは

私にはまだ見ぬ将来への希望への煌めきだった

ミステリアスってね

脳内の化学反応を楽しんでるだけなんだって

条件の良い未来へ流れていこうとしているだけの

企みの女の切り口はしばしば私には斬新だった

何でも言葉に言い換えて何でもまとめてしまう

こんな生き方は案外女には合っているのかも知れない

そう思って優しく微笑み返そうとした時

彼女の目が人形のガラス玉に見えて

今そのものの光は卑しく輝いてすぐに死んでいくのだと解って

私はただたじろいだ石のように動けずにいた

 

譜奏121