2017年4月3日

私が呼んでも

何度呼んでも

答えてくれない私が夢の中にいた

私が差し出した手は大きく

彼女の背は小さかった

忘れてきたのと

私は二度言った

一度目は声にならなかったから

白い霧のような風が吹いて

私の手は小さくなり

彼女の唇は紅く濡れていた

今度はその唇が私を呼んだ

なのに私は急いで

小さくした背を向けていた

 

譜奏44