熱の譜

月の白に醒めない碧い夢

これが最後のように濁るから

一人膝に顔をのせて遠く

夜が枯れていく音を聴いていたの

過ぎていかない悲しみの静かに

奪われていくように

愛の陽炎のように飾られた花は

どうしてその彩りを失くしてまで

さびしそうに咲き乱れているの

何も映さない夜に

わたしを忘れて抱きしめて

消えていく虹でいいの

湖に煌めいて揺らいだ熱を

愛した女優のように

 

譜奏500