2019年12月2日

誰かのではなく

何かの奴隷のように生きるという精神質が女にはあるのかもしれないと

不快な重い夢を見て冷たい汗に起こされた私は

呼吸のように点滅しているデジタル時計を睨みながら

自分の中に顔を出したぬめりとした触感の感覚に腹を立てていた

何の為に神様はこんな異物をわざわざリレーションしてきたのだろう

女族に必要なものは必ず知らせ気づかせるために

ご丁寧にその影まで作ってくれたということなのだろうか

どんなに譲っても不可解でしかないけれど

例えば悲しみを紛らせるために苦しみに生きようとするのも

女が女を生きたという絵に納まるような気がしないわけじゃないけれど

でもやっぱりそれは良くない、むしろ女って

大切な扉の鍵は誰にも見つけられない妖精の置物の下に

そっとそして永遠に隠したままのほうが物語になるのだから

 

譜奏461