2019年8月7日

見覚えのある本棚の前に座っていたが

それが度々私に訪れる夢の中でのことだということは分かっていた

そして何故私はここに座っているのかも私は囚人のように知っていた

何度も与えられたシチュエーションで引き出しを開けられない私を

家鳴りが威嚇するように奇声を発している

私は昨日の夢の部屋のドアを再度押して幻のような机をみつめた後

今日こそはと思う気持ちで透けた手を引く

そして鍵がかけられていた日記帳の鍵を殺すように壊し

誰にともなく幻のようにでもなく息を飲む

やはり

体液でなぞったような言葉が這う川のように

いや違う

そこには予め決められたと思える異邦の罪文が

望まれない聖別のように整然と並んでいるだけだった

 

譜奏412