飾ることのないまたその人は
ネコも負けるくらいの目ヤニのまま
前日とまったく同じ服装で出てきて
寝ぐせ隠しの帽子を深くかぶって私にヨゥ、と手を上げた
私は今日彼にどうしても聞きたいことがあった
真剣に考えれば考えるほど
音楽ということが私には言葉で整理できていなかったからだ
何故か気づかれないようにあやしている自分が可笑しかった
韻律や、人間はそれぞれの韻律の世界に支配されて生きてる
ぼおーっとしてるかと思えば突然抉ぐるようなことを言う
このややこしい不思議なネコ
もう少しかみ砕いて私に解るように言ってよと思って
線になるくらい頑張って横目で助手席を見たのに
やっぱり寝ていたの目ヤニのまんまで
譜奏287