使命という響きに心が満たされていた時期があった
その言葉に
天から選ばれし者というニュアンスを強く感じていたせいだ
しかし私はその後点在していた自身の斑な欲求をそのままにして
変色していく擬音の後遺症に悩む愚かを犯してしまっていた
私には何故もう少し丁寧な示唆や兆しが
与えられなかったのだろうと今私は思っている
それともこの今がその時なのかとも
叶うなら私の個体の絵素が何かの点描を担い
その全体の色彩が機能で繋がり
些細でも意味を約束されたものであるのならと
私は取り残されたように感じる部屋の中で
悔いをとり繕うように息を吐き
楽観するように強く息を吸い込んでいた
譜奏271