行き当たらない幻のような不安に人は苦しむ
悲しみの在り処ははっきりしているというのに
解決しないままの事や置き去ってきた事が
人の心に棲みついて姿を隠して復讐する
おそらくそれが不安の正体だ
不安は良心の根だけに繁殖する執念深い原因菌として生きる
解決する方法はないと考えよう
人には全てを潔癖なものにする人生など与えられていないからだ
笑って生きよう
そして人の持つやさしさを素朴に信じて歩いて行こう
そうすればいつかきっとたどり着く
行き当たらないと嘆いてあきらめた
白蝶の群れる花園に
そしてどこかに約束された美しさに
譜奏261