2018年7月25日

顔も身体も髪も痩せた小さな男の子と女の子が現れて

私の前に立って

男の子は右手をまっすぐ伸ばし女の子は水を受けるように丸くして

両の手を私の前に差し出す

きっとすごくお腹が空いているのだとわかっていた

ポケットに手を入れて歩いていた私は

急いでポケットの中をまさぐるフリをしていたけど

そこには独りぼっちの指しかないことはわかっていた

私はただ立ちすくんで目の前の裸足の指に目を落とす

またいつもの悪夢のリフレインだと判っていても

そしていつものように砂のようになってこう言っているの

ごめんね

わたし

この命しかあなたたちにあげるものがないのと

 

譜奏250