2018年3月26日

人は老いること

人が亡くなること

この避けられない事実が私には

いつまでたっても咀嚼し切れないままだ

私はただ幼くて

命の定理を実感しない盲目の中で生きている

変えられないことを受け入れて拒む平静と諦観を

両者を見分ける知恵を私は力なく想う

思い出は切ないままに人を愛し過ぎて

なのにその愛は断片的に偏っていく

吐息の筒から漏れ零れた吹きガラスが作る淋しい形が

成り行きのように私の目を開かせて

私自身の想いに届くのなら

私は私を知る者になれるのかもしれない

 

譜奏198